ハウスメーカーとは、一般的に全国規模で展開している大手住宅メーカーのことを指します。新築住宅の建築・販売を主な事業としており、塗装工事を行う場合は、下請け業者に施工を依頼するケースが多いです。

大手ならではの安心感がある一方で、中間マージンが上乗せされて料金が高くなってしまう傾向にあるため、少しでも工事費用を抑えたい場合は、次に紹介する「工務店・リフォーム業者」もしくは「地元の外壁塗装業者」に依頼した方がよいかもしれません。

工務店とは、主に地域密着型で住宅工事を請け負う業者のことです。注文住宅の建築から小規模なリフォーム工事まで幅広い業務に対応しており、大手ハウスメーカーよりも狭い範囲で営業活動を行っています。

リフォーム業者は、リフォームやリノベーションを専門に請け負う業者を指します。得意分野は会社によって異なりますが、壁紙・フローリングの張替えや水回りのリフォーム、エクステリア工事など、リフォーム工事全般に対応している会社が多いです。

いずれの場合も、複数の工事をまとめて依頼できる可能性が高いため、屋根・外壁塗装以外にも直したい部分がある方に向いています。ハウスメーカーに比べても比較的リーズナブルな価格設定になっているので、相場程度もしくは相場以下で依頼できるでしょう。しかし、中には下請け業者に発注している会社もあり、その場合は中間マージンが含まれている可能性もあるので、見積もりの段階で内訳をチェックしておくと安心です。

屋根・外壁の塗装工事やメンテナンスのみを検討中であれば、地元の塗装業者や塗装専門店に依頼するのがおすすめです。相場よりも費用が安い傾向にあり、細かい要望にも柔軟に対応してもらえます。豊富な経験と高い技術力を持った塗装工事のプロが集結しているため、品質の高い施工が期待できるでしょう。

ただし、地元業者の中には悪徳業者も潜んでいるため、事前にしっかりとリサーチを行い、信用できる業者かどうか自身で見極めることが大切です。

まず、注意しなければならないのが訪問販売です。必ずしもすべての訪問業者が悪質だとは限りませんが、連絡もなしに突然来訪してきた場合は十分に警戒しましょう。

特に、大幅な値下げを提案したり、不安を過剰に煽ったりして契約を急かしてきた場合は要注意です。冷静な判断ができない状態で契約を結ぼうとしている可能性があるため、少しでも不審に感じた場合は「他の業者と比較してから決めたい」「家族と相談したい」といった理由を伝え、一旦帰ってもらいましょう。

本社、事務所、店舗など、その業者の所在地（住所）が曖昧な場合も注意が必要です。

多くの業者は、パンフレットや会社のホームページなどで、電話番号や所在地を公開していますが、悪徳業者の場合は身元を明かすような情報を提示してくれません。名刺に住所が記載されていなかったり、詳細な住所を教えてくれなかったりした場合は、候補から外しましょう。

適正な価格で正しい施工を行っている業者であれば、後々トラブルが起きないよう細かい部分まで丁寧に説明してくれます。例えば、補修が必要な部分や修復方法、工事の工程、見積書の内容など、塗装工事に関する専門知識を持たない人でも理解できるように、かみ砕いた表現で分かりやすく説明してくれるでしょう。

一方、悪徳業者の場合は、施工前の説明を適当に済ませる可能性が高いです。トラブルが起きても責任を回避する危険性があるので、不誠実でいい加減な態度が見受けられる業者と契約するのは避けた方がよいかもしれません。

悪徳業者の代表的なセールストークの1つに「足場無料」という誘い文句があります。

しかし、塗装工事において足場が無料になることは滅多にありません。なぜなら、安全かつ丁寧な施工を行うためには足場が必要不可欠であり、設置するためには数万円から数十万円程度の設置費用が発生するからです。

「足場無料」や「足場0円」をうたっている場合は、足場費用をサービスするかのように見せかけて他の項目に上乗せしているだけなので、この表現が出てきたら契約を断りましょう。

屋根・外壁の塗装工事は、自社の職人だけで施工するケース（自社施工）と下請け業者が施工するケース（下請け施工）があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、一概にどちらが優れているとは言えませんが、費用を押さえたい場合は、下請け業者への中間マージンが発生しない自社施工がおすすめです。

また、自社施工業者の場合は、職人と直接コミュニケーションを取れるため、意思疎通がしやすいというメリットもあります。下請け施工のように窓口となる営業担当者を経由する必要がないので、細かい要望やニュアンスを的確に伝えられるでしょう。

塗装業者との相性や実力を確認するためには、施工実績も重要な判断材料となります。施工の質に自信を持っている会社は、ホームページなどで過去の事例を公開しているため、リサーチのタイミングで確認しておくとよいでしょう。

適切な外壁塗装を施すためには、建物の劣化状況を確認するための現場調査が欠かせません。丁寧な工事を心がけている業者は、小さな劣化も見落とさぬよう建物を隅々まで丁寧に確認した上で見積りを提示するため、現場調査を実施しない業者や数分程度の短い時間でささっと調査を終えてしまう業者がいた場合は、避けた方が無難です。

先ほど、「悪徳業者は施工前の説明を適当に済ませるケースが多い」とお伝えしましたが、質問に対する回答でもその傾向が見られます。特に、施工方法や塗料のデメリットを聞いても教えてくれない場合は要注意。優良業者は、デメリットもしっかりと伝えてくれますが、悪徳業者は「デメリットは一切ない」と言い切ったり、具体的なデメリットを挙げられなかったりする可能性が高いです。意図的に隠している場合もあるので、少しでも疑問を抱いたら積極的に質問してみましょう。

見積書で忘れずに確認しておきたいのが、各金額の内訳や根拠です。もちろん総額も重要ですが、信頼できるかどうかは見積書の内容で判断できます。

多くの業者は、「材料（塗装費）」と「工事費」をしっかりと分けて記載したり、塗装面積を「㎡」で細かく表記したりと、具体的な根拠を明記していますが、中には工事内容をまとめて「一式」と表現する業者も存在します。詳細を説明してくれる場合は問題ないかもしれませんが、説明を渋る場合は相場以上の高額請求を企んでいる可能性があるので、依頼する業者を考え直した方がよいでしょう。

外壁塗装だけに限らず、どんな工事も稀に不慮の事故や施工不良が発生してしまうことがあります。万が一の際に大きなトラブルへと発展しないよう、保証内容やアフターフォローが充実しているかどうかもしっかりと確認しておきましょう。また、このタイミングで保証の対象となる条件や保証期間を把握しておくことも大切です。

外壁塗装業や屋根塗装業は資格や許可がなくても開業できますが、「建設業許可証」を取得している業者や「1級塗装技能士」を保有したスタッフが在籍している業者は比較的安心できます。必ずしも必要なわけではないですが、判断材料の1つとしてチェックしてみてください。